2 絵と言葉の関係

絵も文字も味があっていい感じなのに、もったいないなあと
思うことがあります。
添えられる言葉の内容です。例えが幼稚ですが、
ひまわりの絵を描いて
夏のひまわりきれいだね
これではただの説明です。
絵手紙には絵と文字があり、それぞれに美しさや個性を表現できますが
文字には言葉という内容があり、言葉で心を打つことも出来ます。
この言葉と絵をうまく関係させると、より見る人に伝えられる絵手紙に
なると思うのです。

俳句などには季語があり、それだけで季節を表現できます。
でもひとつの俳句に季語が二つあったら、まぬけだし、限られた字数の中で
もったいないです。
では、絵手紙では、どうでしょう。
ひまわりの絵を描いて
言葉のなかにもひまわりがあったら説明ぽいし、余計だと思いませんか。
俳句の季語のように
絵から直接連想される、絵で充分伝わる言葉は使わない方がすっきりします
ひまわりから直接連想される言葉
例えば、夏、黄色、太陽、花、暑さ、明るさなど
は使わないで、言葉を探す。あるいは使っていたらそぎ落とす

きれいだね

この方が作者の気持ちがストレートに伝わります。

絵を言葉のひとつのように利用する。
さらに積極的に、絵を言葉のひとつのように利用します。

ひまわりの絵+いっぱい遊ぼうね

これだけで、夏休みに子供達が遊ぶ様子が思い描けます。


簡単に2つのポイントを紹介しました。とても私個人的な考え方かもしれませんが参考になれば幸いです。
いままで、みなさんが描いた絵手紙をあらためて眺めてみてください。
絵と言葉はいい関係にありますか。よけいな言葉が邪魔をしていませんか。


これはちょっと、ひねりすぎ?

ひまわりの絵手紙


手紙から絵手紙 絵と短い言葉だけで、見る人がイメージを
大きく膨らませる事ができる。

これが、絵手紙のすごい所だと私は思います。

逆にいうとそれだけ、言葉の無駄を省き、
絵も的を得たモチーフでなければ、
間延びした、だらしない感じになってしまいます。

なんだか、書いてて難しくなってきてしまった。

実際にどなたかに宛てて〒で出す絵手紙なら、
こんなアプローチはいかがでしょう。

まず、普通に手紙を書きます。
これは、本当に出すのでなく下書きです。


一樹くん、元気ですか。僕も元気です。
もうすぐ、夏休みだね。
去年、遊びに行ったときは、魚釣り、くわがた取り、
とってもたのしかったです。
でも、魚釣りの勝負、僕が負けてとっても悔しかった。
今年は負けないぞ。
今年も、遊びにいくので、よろしくね。

この、手紙の下書きから、モチーフに使えそうな物を探します。
魚、くわがた、夏休みから連想されるものなど。
それを絵に描いて、簡潔に言葉を添えます。

くわがたの絵+今年もよろしくね。

下書きの手紙から引用できればそれもよし。
素直に手紙らしくていいですね。でも言いたいことはこれかな。


魚釣りの絵+今年はまけないぞ。

これなんか、手紙の言いたいところを押さえて、しっくりきていると
思いませんか。

一樹君にしてみれば、どちらも友達から来た楽しい絵手紙でしょう。
とても個人的な内容だからです。

でも、この2枚の絵手紙が公民館に飾られて、
第三者の目に触れたらどうでしょう。

前者は、暑中見舞いのような印象を与えるだけです。
しかし、後者は、見る人に想像を働かせます。
魚釣りの勝負を以前二人がしている事。
そして、作者が負けた事。
そして、次の勝負を楽しみにしている事。


これだけの事を今年はまけないぞ。は表現しているのです。

絵手紙を個人的な手紙のやりとりで楽しむのなら、なんでもいいとは思い
ますが、公民館?インターネットのホームページなどで、
第三者に見せるのなら、第三者も楽しめる視点が欲しい気がします。
見る人がイメージを膨らませて楽しめる絵手紙。
始めませんか。


補足
紙の言葉は短いのが好きです。
長い場合は、納得するだけの言葉の内容があってほしいと思います。
あくまでも鑑賞する立場としての個人的な好みですけど。

上記の例で、絵手紙に手紙全文を入れて、相手に手紙として送っても、
手紙なのですから私がとやかく言うことはないですが、
公民館やインターネットで公開した場合、他人に宛てた手紙そのものを
私が読むことは、気持ちのいいことではないし、興味もありません。
手紙を受け取った人から見ればプライバシーの侵害です。

きっとこういうことは、皆さん理解していて、絵手紙に添える言葉に、
無意識にフィルターをかけているのではないでしょうか。
用件はハガキの宛名側に書いたり、
よほどプライベートな内容なら、封書で〒するでしょう。

絵手紙に添えられる言葉は、
癒し、励まし、自然、美しさ、優しさ、ほほえましさ、ユーモア、愛、勇気etc
いい事、楽しい事がほとんどです。
でも、世の中いろいろあります。
絶望、悩み、不満、批判、逃げ、退屈、けんか、借金、殺人、戦争etc
数え上げれば切りがありません。
気の重くなる言葉を書けとは言いませんが、
なんとなく、人間臭さがもっと欲しいなと個人的には感じます。


ストーブの次に描きました。いまだにきつねがうまくおさまらない。

きつね

自分で、自分の絵手紙の事をどうこう言いにくいのですが、
おんなじ方を見ています
という言葉だから、
あなたのことを見守っている。
支えている。
あなたがやろうとすることしっかり見ているから
しっかりおやんなさい。
など、見る人にいろいろと想像させる事が出来るのではと思います。
やさしく見守っています
では、言葉を受け止めるだけで終わってしまいます。
あなたと作者の関係も限定していないので、
絵手紙を見る人が、
親子、兄弟、恋人、友達、などに置き換えて
想像する事ができます。

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